
沖縄で生活してから4回も住居を変えた
そのたびにけっこうな費用がかかっている。なので、いいかげん落ち着きたいのだが、来年もまた引っ越す予定になっている。なぜこうなったかというと、ひとえに経済的な問題に尽きる。
沖縄は家賃が安いといわれるが、実際に暮らしている感覚でいうと、昨今はどうもそうとは思えないのだ。とりわけ那覇市は新興開発地の新都心が整備されてから地価が高騰を続け、ゆいレールが開通してからは沿線の家賃も上昇しつつあるのが実情なのである。
僕が移住した10年ほど前は確かに安かった。ちなみに、2度目に住んでいた賃貸マンションは18畳のリビング、6畳の和室と6畳の洋室が1室ずつ。間取りは2LDKだが、広さは3LDKなみあって、これで共益費と駐車場代込みで8万円だった。しかも新築である。首都圏であればその倍はするだろうという物件だったが、当時は那覇の中心部であっても8万円も出せば、これぐらいの贅沢な住宅に住むことができたのである。
ところがである。その後、よんどころのない事情で借りた現在の2DKの賃貸マンションは築20年のいかにも安普請の物件ながら、ゆいレールの駅が至近というだけで家賃は駐車場なしでなんと8万円。仲介した不動産屋もこれではあまりに高すぎて気の毒だというので、いっしょに値下げ交渉してくれたのだが、どんなにくいさがっても大家は一銭も下げなかった。
駅が近いと家賃が高い?
相手のいいぶんは那覇の中心地でゆいレールの駅が近いから。が、ゆいレールは沿線が短くて利用できるエリアが限られ、僕など仕事ではほとんど使えない。なので、沖縄ではどうしても自家用車が不可欠となる。ところが、その駐車場代がその界隈だと1万5千円から2万円とべらぼうに高いのだ。つまりは、ゆいレールの駅が至近の立地であればあるほど駐車場代はかえって高くなるので、結局のところ家賃は高くついてしまうのである。
ところでその那覇市内の家賃の相場だが、2DK〜2LDKの間取りであれば、中心部から少し離れると5〜6万円で借りられる。ただし、これに共益費、車の維持費、駐車場代などがかさんでくるので、合算するとおよそ8万円にのぼる。
さらには高騰する一方のガソリン代や飲んだときの代行運転料金などを加えると、やはり10万円近くの出費は覚悟しなければならない。というわけで、一見、安そうに思える沖縄の家賃も車社会が影響しているために、それほど安価でないことになり、これに全国最低の県民所得という生々しい実態をあてはめれば、むしろ割高という言い方もできるのである。
分譲マンションの売り出し価格は安い
ただし、分譲マンションとなれば話は別になる。沖縄は県民所得が低い関係で、売り出し価格がかなり低めに設定されていて、リフォーム済みの中古マンションが900万円前後から、3LDKの新築マンションでも1800万円〜2500万円前後で購入できる。 ちなみに、1800万円前後のマンションだと、頭金を300万円で、月々のローン返済額は駐車場込みで約6万8000円(返済期間35年)。
また、頭金を500万円とした場合のローン返済額は約5万円となり、早い話が家賃並みの金額で分譲マンションに暮らせることになる。事実、不動産屋に訊くと、同額の家賃を払うなら現時点では賃貸より分譲の方が間取りが広く、キッチンやインターネット関連などの設備もはるかに充実しているとのこと。
こうなると、僕のような不安定な自由業はより安い物件に食指が動く。という事情で、来年は分譲マンションに越すつもりなのだが、冒頭でも述べたように引っ越しは多額の費用がかかる。なんだか、これでは「引っ越し貧乏」そのままのオキナワンライフを送っているようで、こういうことを世間では本末転倒というのではないかろうかと、本気で考え込んでいる今日この頃なのである。
1958年大阪市此花区生れのウチナーンチュ2世作家で沖縄大学講師。
著書に『住まなきゃわからない沖縄』『爆笑
沖縄凸凹夫婦』『沖縄の人だけが食べている』『沖縄チャンプラ亭』『沖縄大衆食堂』など多数。
新刊、仲村清司の「独断偏見!!沖縄とっておきの隠れ家」も好評発売中。
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